酒粕が茶色になる理由とは?

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酒粕が茶色になる理由とは?

酒粕の色は白?それとも茶色?

板状の酒粕「板粕」は白っぽいものが多くて、スーパー等でよく見かける味噌のように練ってある「練粕」は茶色のものを多く見かけます。 同じ酒粕なのにどうしてこんなに色の違いがあるのでしょう。

劣化ではなく「熟成」

酒粕は基本的に冷蔵で保管しますが、時が経つに連れ茶色に変色していきます。
実はこの現象、劣化ではなく「熟成」なのです。

例えば酒粕ラボでもよく紹介している「今代司酒造(イマヨツカサシュゾウ)」の酒粕の場合。酒蔵自体が純米酒しか造らないため、酒自体が純米酒や純米大吟醸酒と、酸味が強めの日本酒から造られた酒粕が出来上がります。ご存知のとおり、今代司酒造では酒、酒粕に関しても添加物や保存料は一切使用していません。

日本酒の色味はもともと黄金色に色がついています。(濾過等の工程を経て透明に近くなります。)よって酒粕も、酒本来の色である茶系色となり、どの酒粕にも言えることですが、日が経つにつれて酒粕の色も変化していきます。 (真っ白い酒粕は漂白してるかも?その方が心配ですね。)

色が変わると香りも味わいも深みがUP!

酒粕の色が茶系のものは、酒粕に含まれる糖分とアミノ酸によってアミノカルボニル反応が起こっているための現象です。これは保存中に糖分とアミノ酸の両者が反応すると、着色が増し、同時に香りにも深みが増してきます。この場合は劣化と異なり熟成といわれる現象となります。

甘酒にした場合、味の違和感を覚えるのはこの現象が大きいためです。苦味に関しては、個人差もあって何とも言えませんが、この熟成に関して知識を高めておくとお料理のレパートリーも広がりますね。

世間では食の衛生基準に関するニュースが流れてます。酒粕の質も日本酒同様、「酒質」と言えばそれまでともなりのですが、しっかりと理解してもらって購入することが大切ですね。

酒粕の保存は「冷凍」が一番

保管については、「冷凍」が一番です。これにより、熟成をかなり遅らせる事ができるはずです。

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